2017/06/03★第119回 街なか研究会のご案内★

公開:どなたでも参加できます

■テーマ:第119回 街なか研究会
  「大久保路地歩きリターンズ」
■講 師:司波 寛氏
■日 時:平成29年6月3日(土) 16:00~18:00(懇親会18:00~)
■会 場:大久保界隈(雨天決行)
     集合:JR大久保駅南口16:00
     懇親会会場:「辰家」(旧名:スンデ家)
           東京都新宿区百人町1-3-3サンライズ新宿A1F
           03-5273-8389
           http://www.soondaezip.com/
■参加費:無料
     懇親会費:4,000円程度

■ 探検する路地の街とその概要
 新宿区百人町1丁目、大久保1丁目の一部の地区。東西は、山手線から大
久保小学校あたりまで。南北は、大久保通りと職安通りの間。なお、街歩き
地図は当日ご参加の方に案内人から配布します。
 この地区は、江戸時代は鉄砲百人組の組屋敷であった。日常は江戸城の市
ケ谷門の門番。非常時には、甲州街道の守備隊。宅地割は、今の大久保通り
に面して南北に細長いものであった。江戸時代からその細長い宅地を耕して
自給自足に近い生活をしていたようである。明治に入って、こうした農事が
躅つくりに転換され、「大久保の躑躅」というブランドが立ち上がり、開花
期には大勢の人々を引き付けていた。更に時代が進み、東京の膨張とともに
宅地化が始まった。元の下級武士が家主業を始めた訳である。地盤が強固な
こともあって、関東大震災での被害がほとんどなかったため、宅地化が一挙
に進んだ。岡本綺堂等も、赤坂で震災被害を受けた後、百人町に転居してい
る。また、明治に高田の馬場一帯が陸軍の演習地になったこともあり、百人
町、大久保、更に今の歌舞伎町あたりに高級軍人が多数居住するようになっ
た。この頃までに農地はほとんど宅地化されたが、細長い宅地を有効利用す
るために突っ込み道路を建設したのが、今の路地の街の始まりである。大久
保通りは商店街として発展した。
余談だが、今の大久保に楽器店が多いのは、陸軍軍楽隊の楽器修理請負から
始まったようである。
 第2次大戦中爆撃を受け全域が焼失した。戦災復興区画整理事業の対象区
域に当初は入っていたが、国の財政難から区域縮小が行われた際、対象区域
から除外された。元あった路地をベースに地主ベースで再建が進み、木造賃
貸住宅の街となった。一方、新宿は歌舞伎町の名前とともに一大盛り場とし
て繁栄を初めていた。この大きな影響を受けたのが、今回の対象地区である。
影響は二つの面で顕著である。一つは、歌舞伎町で働く人々の住居として安
いアパートが大きな役割を果たしたこと。もう一つは、連れ込み宿化である。
連れ込み宿は、比較的大きな宅地の所有者が、他所に転居し、自らか、業者
に委託してか、あるいは宅地を手放して、始まったケースが多いようである。
こういう状態が、1990頃まで続く。その後、これが変わり始めた。
 ここで挙げた変化の第一の流れの最初は、中国人であったようだが、この
期間は割と短く、韓国人が主流になる。その流れが圧倒的に大きくなって今
に至っている。第二の流れの連れ込み宿化は、世紀の変わり目より少し前に
変わり始める。東南アジアからの留学生の受け入れを狙った専門学校の校舎
に変わっていったことである。連れ込み宿は、歌舞伎町の北部に隣接した地
区に集中し、少し離れたこの地区は立地条件で負けた訳である。
 この地区の韓国化の流れは止まっていない。その大きな理由は、彼らの定
住化が進んでいることによるのではないかと思っている。かつての隠微な雰
囲気は消えたが、普通の日本の盛り場とは違う街が出来上がっている。この
地域に居住し、働いている韓国人の主流はいわゆる二世ではなく、ほとんど
日本国籍を持っていない。彼らは、韓人会という組織をつくって相互の情報
交換を行うと同時に、日本社会に如何に上手に馴染むかということで努力し
ている。繰り返すが、この会にはいわゆる二世はほとんど加入していない。
 こうした状況を認識してもらった上で、大久保の路地探検を楽しんでいた
だけたら思っている。

幹事(司波 寛)

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イベントホームページ(予定)
http://jsurp.net/jsurpimages/machinaka/event/2017/20170603ookubo/20170603ookubo.html

街なか研ホームページ
http://jsurp.net/jsurpimages/machinaka/toppage.html
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(申込先 jimukyoku@jsurp.jp )
6/3開催  街なか研究会
まち歩き・懇親会  に参加します。
(参加するものを残して下さい)

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